<返還式後>2009年10月28日
高知と宇宙の関わりは深く、その先導役となっているのがてんくろうの会です。
今回は、そのてんくろうの会の定例会で高知を訪れ、てんくろうの会々長でもある鈴木朝夫先生と、武井道夫先生がいらっしゃる大豊町「ゆとりすとパーク」をお邪魔してきました。
「ゆとりすとパーク」は標高750mに位置する、その名も"風の公園"。明け方には雲海が見えることも多いそうで、文字通り風光明媚な山の上に拓かれた公園です。夕陽に映えるススキが郷愁をいざなう日本の秋の風景が広がっていました。
陽も沈みはじめた夕方4時ころ、レストランにつながる温室の入口で武井先生が出迎えてくださいました。高知県では採取した地元のほか、武井先生にも播種いただくことになっていて、宇宙桜の発芽、育成が万全の態勢で待たれています。
武井先生は、稚木の桜の種20粒ほどを、来春を待たずにいくつかの容器に播かれていました。容器は、それぞれ土壌が異なっていて、バーク堆肥だけのものと山砂+堆肥のものに分けられて、十分な水分で浸されていました。また温室内はほどほどに暖かく、最低でも8℃以上、最高でも38℃に設定されているそうで、一年を通して発芽に快適な温室環境に保たれています。
武井先生は返還式直後の9月11日に、種を受け取ってからすぐ播種したそうです。
返還式後の種に初めて再会した今回、この気温と播種の状態から、すぐにでも芽吹きそうな期待すら感じさせられました。しかし返還式後にお渡しした種たちは、宇宙フライトの関係から乾燥した状態であったこともあり、まだまだ給水に時間を要しているようで、残念ながら発芽を確認することはできませんでした。
武井先生には芽が出たときにはすぐにご連絡いただくようお願いして、山を降りました。
翌日は佐川町に入って橋掛室長と尾川小学校の西村校長先生にお会いしました。
西村先生にはサミットで放映するビデオレターの制作をお願いし、また橋掛室長にはこれまでのお礼と改めてのお願いをして、12月5日に再会する固い約束を交わしました。
町役場を出たあと、尾川沿いを遡って本郷耕の古谷岩美さんにもお会いしました。
古谷さんは昨年の種採取直後、ご自宅の庭に宇宙桜の種の兄弟たちを植えていて、今回はその1歳と約6か月の兄弟たちにも会うことができました。
兄弟たちは思ったよりも背丈が高く、膝上はもちろんのこと、背丈が胸元ほどのものもありました。改めて、桜というと大木のイメージが強い一方で、それでも1年ではまだまだ自分の身長にも至らない桜たちを目にし、いのちを育むことの大変さ、大切さ、そして長い時間を要する作業であることを実感させられることとなりました。
古谷さんのご自宅前の、尾川沿いの一群は、透き通るような秋風のもと、はやばやと冬支度をはじめているようでした。



