春高楼の花の宴 花伝説発芽二番手は岡山の醍醐桜
岡山県真庭市役所から嬉しいニュースが入りました。
宇宙を旅した醍醐桜の発芽です。
最初に成功したのは、真庭市美咲町の「名人」氏平薫明(うじひらしげあき)さん(日本さくらの会会員)です。
氏平さんは、庭先に設置したプランターに2009年9月30日に種を播き、屋外の環境で大事に見守り続けて半年あまり、2010年3月に発芽を確認しました。4月現在、8本の芽が元気に生育中です。
このニュースが県内を駆け巡ると同時に、さすが名人ということになり、地域の英雄になってしまいました。氏平さんの静かな生活は一変し、マスコミに追いかけまわされているそうですが、ご夫妻はまんざらでもないご様子。
JAMSS花伝説事務局員は、春木基男さんのご案内で、さっそく氏平さんのお宅を訪問し、新芽を見せていただきました。
ごらんください。このみずみずしさ!
「茎が赤い。葉脈まで赤いのは、いままで地上で見てきた芽とは違うように思える」
氏平さんはそうおっしゃいます。結果を判定するのはもう少し慎重に比較しなければならないでしょう。
「醍醐桜は1000年の巨木だが、その系統(子孫?)と思われる古木を川沿いで発見した。そこで、その河土に近い配合の土を作って種をまいたところ、うまく発芽したというわけだ」
どうやら土づくりにも秘訣があったようです。
【写真】喜びを隠せない氏平さん御夫妻、後は醍醐桜の守り人ともいえる春木基男さん、右は
このあと、氏平さんとともに醍醐桜を訪問しました。
折からの満開で、桜に向かう山道は車が大渋滞。そうしているうちに日が暮れていきます。
午後7時、ライトが灯ると、宵闇に大桜が浮かび上がります。
遠方から渋滞を抜けて来た人たちも、息をのむ美しさに、きっと報われたことでしょう。
【写真】醍醐桜遠景
山上の哲人、醍醐桜
千年生きてきた古木は、宇宙を旅して何を思うのでしょうか。
地元の方々が畑を耕していると、ずっと離れた所でもこの桜の根を掘り当てるといいます。この山一つに根が伸びているのかもしれません。
私たちは、手作りコンニャクなど地元の方々の心づくしの夕餉をいただきながら、しばし春高楼の花の宴に酔いしれたのでした。
「この集落は限界集落です。10戸21人しかいません。しかも一人暮らしの老人が多く、子供は一人もいません」しみじみと春木さん。
この桜のために、この地域でできることには限界があるということです。こうした名桜を守るには、日本中からの理解と支援が必要だということを、端的に物語っているのでした。
追記: 氏平さんに続いて岡山県森林研究所でも発芽に成功しています。流石は県の研究施設。面目躍如といったところでしょうか。
http://www.pref.okayama.jp/norin/ringyo/sintyaku/utyuzakura.html



